業務委任契約を解約したいのですが、どうすればいいですか?

こんにちは。
人生に寄り添う、かかりつけカウンセラー&司法書士 こたか真子です。

先日、スモールビジネス経営者、個人事業主の方向けに開催した、

トラブル回避で信頼される「契約書の基本セミナー」で、
「契約の中途解約」について、ご質問をいただきました。

事業をされている方だけでなく、消費者の皆さんにも参考になると思ったので、
ご質問者さまの了解を得て、シェアします。

 

*************************

 

質問してくださったAさんは、個人事業主として幅広く講師業をされています。

Aさんは、コンテンツを一般の方に提供するために、株式会社サクラに講師登録しました。

集客や受講料の徴収、当日のセッティング等は、サクラが行うことになっています。

ところが、この半年間、サクラは、講座の日程は設定するものの、
講座開催日間近になって「受講生が集まらなかったので、開催を中止します」ということが、
何度もありました。

サクラのHPやSNSの投稿を見ても、積極的に集客をしている様子はうかがえません。

また、「受講生が、一人でも集まれば、先生も助かりますよね?」と、
どういう意味に受け取ればいいのか、困惑するような対応で、真剣味が感じられません。

Aさんとしては、日程をあけて講座の準備をするわけですから、
そういうことが度重なると、サクラに対する不信感も募ります。

Aさんは、このような会社からの仕事は、断りたいと考えるようになりました。

「どのように断ればよいか」というのが、私への質問でした。

 

まず、法律的な面から考えてみましょう

 

Aさんのご質問に対して、まずは、法律的な面から、考えてみましょう。

契約書を拝見していないので、詳細はわからないのですが、

「株式会社サクラは、Aさんに講師として講座の開講を委託し、Aさんはこれを受託した」とする、
業務委任契約が成立しているものと思われます。

この場合、法律では、
「各当事者がいつでもその解除をすることができる(ただし、損害賠償責任が発生する場合がある)」
としています。

つまりAさんとしては、
「これまでのサクラさんの対応に不信感が生まれたので、これ以上、おつき合いできません」
と、申し出て、契約を解除することができます。

ただし、

「2023年4月1日から2024年3月31日までの1年間とする。

契約期間満了日の1か月前までに当事者のどちらかから申し出のない限り、契約は自動更新。

期間途中の解約は認めない」

というような規定になっている場合は、
一方的な解約申し出は、難しいと思われます。

もし、このような定めがある場合は、契約の内容に従って、

契約期間が満了する1か月前までに、

契約を更新しない旨を相手に伝えて、契約を終了させれば、
無用なトラブルは、避けられるでしょう。

 

 

波風を立てずに、穏便にすませたい

 

個人事業主として活動している人にとって、
集客や受講料の徴収、当日のセッティング等を代行してくれる業者の存在は、
ありがたかったりします。

でも、業者によっては、対応がいい加減だったり、
思ったように動いてくれなかったり、
Aさんと株式会社サクラのように、信頼関係を築けなくなるケースも少なくありません。

関係は切りたいけれど、波風は立てたくない。

でも、言いたいことは言っておきたい。

悩ましいところですし、こうすれば大丈夫!という、100%の正解はありません。

では、どう言えばいいのか?

私だったら、相手の対応次第では取引を続けてもよいと考えた場合は、

①相手への感謝やねぎらいの気持ち

②問題点の指摘

③問題点の改善方法の提案

④改善(もしくは回答)期日

⑤改善されなかった場合どうするか

⑥問題を一緒に解決することで、お互いにどんな未来を築きたいのか

を、相手に伝えてみます。

ポイントは、相手に対する腹正しさやイラッとする感情は、とりあえず脇に置いておくことと、
相手の意見を聞く心の余白を作っておくことです。

意見を聞くとは、相手の言うままになることではありません。

「そういう考え方、捉え方もあるのだ」という、サンプル事例1として聞くということです。
あなたは、そう考えるのですねと、いったん受け止めればいいだけです。

もし、金輪際、顏も見たくないわ!
という感じで、契約期間途中での解約を申し出るなら、

①相手への感謝やねぎらいの気持ち

②問題点の指摘

③②により、これ以上、契約を継続できないと考えるに至ったこと

を、正直に伝えるかな。

でも、相手によっては、問題点を指摘されると、
責められたと受け取って逆切れするケースもあるので、注意が必要です。

契約期間満了で契約終了するなら、相手から理由を聞かれない限り、
説明は、いらないでしょう(説明しようとして、誤解を招いたり、感情的にややこしくなる場合もあるので)。

「これまで、ありがとうございました」のひと言で十分なのではないか
と、私は思います。

 

消費者の立場から、継続的なサービスを断るには、どうしたらいいか?

 

 消費者の立場で、事業者の継続的なサービスを受けていて、

「解約できない」
「高額なキャンセル料を請求された」

などのトラブルは、よくあることです。

まずは、「契約書」を確認しましょう。

次に、

☑クーリングオフが使えないか
(*クーリング・オフは、いったん契約の申し込みや契約の締結をした場合でも、契約を再考できるようにし、一定の期間であれば無条件で契約の申し込みを撤回したり、契約を解除したりできる制度です)

☑不当な勧誘による契約に該当しないか

☑不当な契約条項になっていないか

 

を確認することで、契約の取り消しや契約の無効を主張できる場合があります。

継続的なサービスを提供する事業者を選ぶ際には、

「解約したくなったら、どうすればいいか」

あらかじめチェックしておきましょう。

誠実な業者を選ぶポイントにもなります。

 

逆に、一般消費者をお客様にしている事業者の方は、
こういったことを念頭に置いて、コンテンツを提供する必要があるといえます。

 

【メルマガ読者様限定】30分無料相談受付中です(^^)/

 

メルマガ読者限定の30分無料個別相談では、

★ネットで見つけた契約書を使っているけど、大丈夫か不安

★契約の内容をお客様に説明できない

★相続手続きを依頼したい

★親に遺言書を書いていもらいたいけど、どうしたらいいかわからない

★夫婦関係が気まずくて息苦しい。なんとかしたい。

★自分の時間ができて、何かやりたいことを見つけたいけど、やりたいことがわからない

など、

法律の問題だけでなく、
人間関係、夫婦関係、これからの生き方のこと
心の中にあるモヤモヤ

なんでもお話ししていただけます。

▼メルマガを登録する▼
https://resast.jp/subscribe/160019

 


【参考】

消費者を守る「消費者契約法」について、
興味のある方は、参考までに消費者庁のこちらのページにわかりやすく記載されています。

知っていますか?消費者契約法-早分かり!消費者契約法- (caa.go.jp)

 

契約書を作るのは、問題が起きた時に負けないため?

関連記事

私の場合は、どうなんだろう、
こんな場合は、どうしたらいいんだろうと思われた方へ