相続登記は、いつかやらなければと思いながら後回しになりがちです
「相続登記は、いつかやらなければ」
そう思いながら、親名義の不動産がそのままになっている方は少なくありません。
相続登記とは、亡くなった方の名義になっている不動産を、相続した方の名義へ変更する手続きです。
不動産の名義変更と聞くと、単なる書類上の手続きのように思われるかもしれません。
けれど実際には、家族の事情や気持ちが絡み合い、すぐには進められないケースも多くあります。
実は、司法書士である私自身もそうでした。
父が亡くなってから約10年間、父名義の不動産、つまり実家の相続登記をしていませんでした。
司法書士なのに?
と思われるかもしれません。
でも、相続登記は、知識があればすぐに進められるというものでもないのです。
司法書士の私も、父の相続登記を約10年間していませんでした
私の場合は、相続人のひとりである母が、父が亡くなってすぐに寝たきりになってしまいました。
母は自分の意思表示が難しい状態だったため、父の遺した不動産を誰が相続するのかを話し合う「遺産分割協議」ができなかったのです。
もちろん、そのような場合でも、法定相続分どおりに登記することは可能です。
ただ、法定相続分どおりに登記すると、弟と私にそれぞれ持分が発生し、権利関係が複雑になる問題が残ります。
そのため、どうしたものかと思いながら、時間が過ぎていきました。
2年前に母が亡くなり、遺品整理や法要が落ち着いて半年ほど経った頃、弟と遺産分割協議をして、ようやく相続登記を済ませることができました。
この経験からも、相続登記は「ただ名義を変えればよい」というものではないと感じています。
相続登記は令和6年4月1日から義務化されています
このメルマガや発信でも何度かお伝えしていますが、相続登記は令和6年4月1日から義務化されています。
相続によって不動産を取得したことを知った日から、原則として3年以内に相続登記を申請する必要があります。
また、令和6年4月1日より前に発生した相続についても対象となります。
この場合の期限は、令和9年3月31日です。
正当な理由がなく、期限内に相続登記の申請がされないと、「10万円以下の過料」が科される場合があります。
令和6年4月1日より前に発生した相続について、まだ相続登記がお済みでない方は、期限内に申請できるよう、早めに準備を始めることをおすすめします。
相続登記が進まない理由
相続登記が進まない理由は、単に「忙しい」「面倒」ということだけではありません。
たとえば、次のような事情があります。
- 相続人同士で意見が異なり、話し合いが進まない
- 誰も住まなくなった家に思い出があり、方針を決められない
- 親の遺品が多すぎて、気持ちの整理も片づけも進まない
- 亡くなった方に子どもがなく、甥や姪が相続人になる
- 相続人が高齢になり、認知症や病気で話し合いが難しくなる
- 次の相続が発生して、関係者が増える
時間が経つほど、相続関係は複雑になることがあります。
最初は小さかった手続きが、年月とともに大きな課題になってしまうこともあるのです。
まず確認しておきたいこと
「うちも、亡くなった親の名義のままになっている」
「昔の相続がそのままになっている気がする」
「きょうだいと話すのが気が重くて、後回しにしている」
「何から確認すればいいのかわからない」
そんな方は、まず現状を整理するところから始めてみてください。
今すぐ結論を出さなくても大丈夫です。
まずは、次のことを確認するだけでも見通しが立ちます。
- 不動産の名義が誰になっているのか
- 相続人は誰なのか
- 話し合いが必要なのか
- 期限までに何をしておくとよいのか
- 相続登記を進めるうえで、どこに不安があるのか
相続登記は、単なる書類上の手続きではありません。
親の考えと子どもの考えが微妙に食い違っていたり、義理の両親や兄弟姉妹との関係性が変わっていたり、将来的に誰も住まない実家をどうするのか先が見えなかったりすることもあります。
相続よりもっと手前にある、これからの自分の暮らしへの不安が出てくることもあります。
事実と感情がごちゃまぜになってしまうと、自分だけでは整理しきれないことがあります。
事実と感情を分けて整理することが、次の一歩になります
相続登記で大切なのは、必要な手続きを進めることです。
けれど、その前に、何が法律上の問題で、何が家族関係の問題で、何が気持ちの問題なのかを分けることが必要な場合もあります。
ひとりで何か月も、何年も抱えていたモヤモヤが整理されることで、次の一歩が見えやすくなります。
「どうしたらいいんだろう?」と思われた方は、小高司法書士事務所の「はじめての相談」をご利用ください。
法律のことだけでなく、家族のこと、気持ちのことも含めて、今起きていることを一緒に整理していきます。
急がなくていいこともあります。
でも、放っておかない方がいいこともあります。
相続登記は、そのひとつです。
必要なときに慌てないために、まずは今の状況を確認するところから始めていきましょう。
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「何を相談すればよいかわからない」という段階でも大丈夫です。
まずは、今起きていることを整理するところからご相談ください。
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